追いかけられると逃げる人|“愛されると怖い”心理の正体を解剖
相手から好意を向けられた瞬間、急に冷める。距離を詰められると返信が遅くなる。付き合えそうになると、なぜか粗探しを始めてしまう──「追いかけられると逃げる」タイプの恋愛は、本人も周囲も消耗します。相手は「何がダメだったの?」と混乱し、本人は「嫌いじゃないのに無理」と自分の感情が分からなくなるからです。
結論から言うと、これは“愛情がない”のではなく、親密さ(距離の近さ)に対する恐怖が先に立つ状態です。愛される=支配される、失望される、見捨てられる、傷つく…といった学習があると、関係が深まるほど危険信号が鳴り、回避行動が出ます。
この記事では、追いかけられると逃げる人の定義、特徴、心理、行動、認知のクセ、周囲への影響、そして改善のための具体策(うまくいった事例も含む)まで、恋愛に特化して整理します。
追いかけられると逃げる人とは?“親密さ回避”で自分を守る恋愛スタイル
追いかけられると逃げる人は、恋愛の序盤では魅力的に見えやすい一方で、関係が深まる局面で急に距離を取る傾向があります。多くの場合、「相手が好きかどうか」より先に、「近づくことが怖い」という反応が起きています。これは性格の気まぐれというより、親密さに対する防衛が恋愛の場面で作動している状態です。
“追う側”のときは燃えやすい
追いかけている間は、相手との距離があるため安全です。理想化もしやすく、相手に合わせて自分を良く見せることもできます。ところが、相手が振り向き距離が縮まると、急に現実が迫ってきます。
現実が迫る=「本当の自分が見られる」「期待に応え続けないといけない」「失敗したら見捨てられる」などの恐怖が出るため、恋愛の熱量がスッと落ちたように感じやすいのです。
恋愛感情の“冷め”ではなく、防衛反応の“作動”
- 好意を向けられると息苦しい
- 相手の期待を感じると焦る
- 束縛の気配があると反射で逃げる
この反射は、頭で「好き」と思っていても出ます。だから本人は「自分は恋愛が向いてないのかも」と誤解しやすい。
まず大事なのは、“逃げる=薄情”と決めつけず、反応の仕組みとして理解することです。
混同されがちなタイプとの違い
- 単なる飽き性:刺激がないと満足できない
- 浮気性:複数の刺激を求める
- 恋愛不器用:距離の詰め方が下手
追いかけられると逃げるタイプは、刺激の問題というより「親密さが怖い」が核にあることが多いです。
つまり、関係が深まるほど苦しくなる点が特徴です。
特徴|“追われた瞬間に逃げる”人に多い言動パターン
このタイプは、相手が好意を見せるまでは柔らかいのに、好意が確定すると態度が変わりやすいです。本人は意地悪のつもりがないことが多く、むしろ「逃げたくないのに逃げる」感じで動いてしまいます。
特徴1:好意が見えた途端に“返信・会う頻度”が落ちる
距離が縮まると不安が上がり、無意識に接触量を減らして安心しようとします。「忙しい」が増えたり、予定が埋まり始めたりするのも典型です。
相手からすると急に温度差が生まれるため、「嫌われた?」と不安を引き起こし、追う行動が強化されてしまいます。
特徴2:粗探し・減点方式になり、冷めた理由を後付けする
「こういうところが無理」「価値観が合わない」と理由を見つけ、距離を取る正当化をします。これは、怖さを認めるのが恥ずかしいため、理屈で自分を守っている状態です。
本当は“怖い”なのに、“相性が悪い”という説明に置き換えるので、本人も本音に気づきにくくなります。
特徴3:関係が確定する場面(告白・将来の話)で逃走しやすい
告白される、両親の話が出る、同棲の話が出るなど、関係の確定は「戻れない」と感じやすく、恐怖がピークになります。
結果、既読スルー・フェードアウト・急な別れ話など、強い回避に出ることがあります。
心理|“愛されると怖い”は、親密さ=危険という学習から生まれる
愛されると怖い人の根っこには、「近づくほど傷つく」という前提があります。過去に親密な関係で傷ついた経験があると、脳は親密さを危険と結びつけます。すると恋愛で距離が縮まるほど、同じ痛みを回避するために逃げが出ます。
特に多いのが、愛着のクセ(回避傾向)です。幼少期に、甘えたいときに甘えられない、弱さを出すと否定される、感情を扱ってもらえない、などがあると、「頼る=損」「近い=面倒」と学習しやすい。その結果、恋愛でも“自立”を守るために親密さを避けます。
また、自己価値の低さも関係します。自分に自信がないと「いつかバレて失望される」という恐怖が強まり、失望される前に自分から離れる選択をしがちです。逃げは冷酷さではなく、先回りの防衛です。
行動|回避が加速する“スイッチ”と、相手を追わせる循環
追いかけられると逃げる人は、相手が追うほど逃げ、相手が引くと寂しくなる、という矛盾を抱えやすいです。これは“接近と回避”の揺れで、恋愛が不安定になりやすい構造です。
回避スイッチが入りやすい瞬間
- 相手の好意が確定した瞬間(告白・明確な言葉)
- 期待・責任を感じた瞬間(将来の話・約束)
- 束縛や監視の気配を感じた瞬間(詮索・頻繁な連絡)
この瞬間に、相手の人格ではなく“状況の圧”に反応して逃げることが多いです。
だから「相手を変える」では解決しにくく、「圧を下げる設計」が必要になります。
相手が追うほど逃げる“追走ループ”
- 相手が不安になって追う
- 追われた本人が息苦しくなって逃げる
- 逃げたことで相手の不安が増え、さらに追う
このループは、双方の不安が噛み合って強化されます。
抜けるには、どこかで「追う・逃げる」を止め、落ち着く時間を挟む必要があります。
認知|“近づく=失う”と感じる思考のクセ(バイアス)
回避が強い人は、親密さに対してネガティブな予測をしやすいです。これは事実ではなく、過去の経験から作られた“予測モデル”であり、修正が可能です。
クセ1:親密さを“支配”と結びつける
恋人=束縛、関係が深い=自由がなくなる、と感じやすい。相手が普通の要望を言っただけでも「管理される」に見えてしまうことがあります。
その結果、健全な話し合いすら“侵入”に感じ、回避で守ろうとします。
クセ2:理想化→現実化で幻滅する(白黒化)
距離があるときは理想化しやすいが、近づくと相手の欠点が見え、急に幻滅する。これは相手が変わったのではなく、認知が“現実に戻った”だけです。
しかし白黒化があると、現実の欠点=関係終了、と短絡しやすい。
クセ3:先読みしすぎて“失望される未来”を確定扱いする
- どうせ飽きられる
- 本当の自分を見たら嫌われる
- 期待に応え続けられない
この未来確定が恐怖を上げ、回避を正当化します。
対処は、未来を当てることではなく「確認可能な行動に戻す」ことです。
影響|恋愛が“不安定・消耗戦”になりやすい理由
追いかけられると逃げる恋愛は、相手を傷つけるだけでなく、本人も疲れます。安心したいのに安心できないからです。距離があると寂しい、近いと苦しい。どちらも苦しいため、恋愛そのものが“ストレス源”になりやすい。
相手側は、自己肯定感が削られやすいです。頑張っても報われない、突然冷たくされる、理由がわからない。すると「もっと頑張らないと」と追走が強まり、共依存的な構造に入ることもあります。
最終的には、良い人ほど離れていき、刺激に強い関係(不安定な相手)ほど残る、という皮肉が起きることがあります。これは本人の“怖さ”が、安定を遠ざけてしまうためです。
対処|回避傾向を弱める実践策(認知行動・環境・成功例)
改善の鍵は、「好きか嫌いか」を結論づける前に、親密さへの怖さを扱うことです。回避傾向は“悪”ではなく、守り方が過剰になっている状態。守り方を上書きできれば、恋愛は安定していきます。
対処1:“逃げたくなったら”結論ではなく「調整」をする
逃げたくなったとき、別れる・遮断するのではなく、接触量の調整に落とします。例:「今日は一人時間が欲しい」「連絡頻度はこのくらいが落ち着く」。言語化して調整できると、回避が暴発しにくくなります。
ポイントは、相手を拒否するのではなく、自分の容量を説明することです。容量の説明は“関係の維持”に繋がります。
対処2:自分の中の“恐怖の台本”を書き出して疑う
- 近づいたら支配される
- 期待に応えられず見捨てられる
- 本当の自分がバレたら終わる
この台本が出たら、「根拠は過去の誰かでは?」と疑う癖をつけます。相手の事実確認(今の相手は本当にそうか)に戻すことで、未来確定の暴走が止まります。
白黒で切る前に、“確認”という中間行動を挟むのがコツです。
対処3:うまくいった事例(“フェードアウト”を卒業した)
ある人は、告白されると必ず逃げていました。そこで「逃げたくなったら24時間保留」を導入し、その間に“怖さ”を言語化するメモを作りました。「今怖いのは、束縛じゃなく期待の圧だった」「相手が悪いのではなく、親密さで不安が上がってる」。
翌日に、短い一文で共有しました。「今すごく好意はある。でも急に不安が上がるタイプだから、ペースを調整したい」。相手が理解的だったことで、“親密さ=危険”の学習が少しずつ上書きされ、フェードアウトが減っていきました。
ここで大事なのは、恋愛テクではなく、自己説明によって関係を“安全化”した点です。
追いかけられると逃げる人に関するよくある質問
追いかけられると冷めるのは、本当に好きじゃないから?
そうとは限りません。好意があるのに逃げたくなる場合、恋愛感情の消失ではなく、親密さへの恐怖(回避)が作動している可能性が高いです。
見分けは、「距離ができると寂しくなるか」「相手が引くと追いたくなるか」。この揺れがあるなら、回避の可能性が高いです。
相手が追ってくると苦しい。どう伝えればいい?
相手の人格批判ではなく、「接触量が多いと不安が上がる」という自分の反応として伝えるのが効果的です。例:「連絡が多いと嫌いになるんじゃなくて、容量がいっぱいになって怖くなる」。
そして代案(頻度・会うペース)を出すと、相手も安心しやすいです。
回避型は治らないって本当?
固定ではありません。回避傾向は“守り方”なので、安全な関係と自己理解によって弱まります。特に「逃げる前に調整する」「怖さを言語化する」練習は効果が出やすいです。
深いトラウマが絡む場合は、カウンセリングなど専門家の支援が助けになることもあります。
追われると逃げる人と付き合うのは無理?
無理ではありませんが、追走ループに入ると消耗します。重要なのは、相手が追わない努力をすることではなく、二人で“安全な距離感”を設計することです。
ペース調整ができる関係になると、回避は落ち着きやすくなります。
まとめ:追いかけられると逃げるのは“冷め”ではなく、親密さへの恐怖の反射
追いかけられると逃げる人は、愛情がないのではなく、親密さを危険として処理する学習(回避傾向)を抱えていることが多いです。好意が確定すると苦しくなり、粗探しやフェードアウトで自分を守る。これは相手の問題というより、心の防衛のクセが恋愛で出ている状態です。
対処は「別れる/続ける」の二択ではなく、調整に落とすこと。逃げたくなったら保留を入れ、怖さを言語化し、接触量を設計する。安全な関係で少しずつ経験を上書きしていけば、“愛されると怖い”は弱めていけます。